「英語できないけど、海外旅行に行って大丈夫?」と聞かれたら、私は「大丈夫です」と答えます。入国審査の質問も、ホテルやレストランのやりとりも、ほとんど決まった型でできているからです。本当の壁は話すことより聞き取ることなので、出発前の1か月は、よく聞かれる質問を耳と口で覚える練習にあててください。
日本政府観光局(JNTO)の統計では、2025年に海外へ出国した日本人は1,473万1,615人で、前年より13.3%増えました(JNTOの統計)。それでも2019年の約2,008万人にはまだ届いていないので、久しぶりの海外、あるいは初めての海外という人も多いはずです。

英語できないまま海外旅行に行っても大丈夫?
大丈夫です。旅行で使う英語は、空港、機内、ホテル、レストラン、買い物、体調不良とトラブルの6つの場面にほぼ限られます。それぞれ5つほどの決まった言い方を覚えれば、残りは指さしと笑顔で何とかなります。
危ないのは英語力より準備不足です。ホテルの住所を現地の言葉で表示した画面、予約確認書、帰りの航空券をすぐ出せるようにしておけば、言葉に詰まっても見せるだけで話が進みます。外務省の「たびレジ」に登録しておくと、渡航先の安全情報がメールで届きます。
入国審査では何を聞かれる?
聞かれるのは、旅行の目的、滞在日数、滞在先の3つがほとんどです。長い文で答える必要はなく、「Sightseeing.」「Five days.」のような短い一言で十分です。
| よく聞かれる質問 | 答え方の例 |
|---|---|
| What's the purpose of your visit? | Sightseeing. |
| How long are you staying? | Five days. |
| Where are you staying? | At the Park Hotel downtown. |
| Is this your first visit? | Yes, it is. |
| Do you have anything to declare? | No, nothing. |
聞き取れなかったら、黙らずに「Sorry?」と聞き返してください。答えに詰まったら、予約確認書を見せて「Here's my hotel reservation.」と言えば伝わります。観光なのに、説明のつもりで「work」のような単語を口にすると話がややこしくなるので、聞かれたことにだけ答えましょう。
空港、機内、ホテルではどんな英語を使う?
空港と機内では「〜はどこですか」「〜をください」、ホテルでは「チェックインしたい」「荷物を預けたい」が言えれば足ります。どちらも「Can I get ...?」と「I'd like to ...」の2つの型で、ほとんど言えます。
- 「Chicken or beef?」と聞かれたら:Beef, please.
- 水がほしい:Can I get some water?
- 乗り継ぎの場所を聞く:Where do I go for my connecting flight?
- 両替:I'd like to exchange yen for dollars.
- チェックイン:I'd like to check in. The reservation is under Tanaka.
- 荷物を預けたい:Can I leave my bags here?
- エアコンが動かない:The air conditioner isn't working.
レストランと買い物で困らない言い方は?
レストランでは人数、注文、会計、買い物では「見ているだけ」「サイズ」「試着」が言えれば困りません。英語圏のお店では店員から声をかけられることが多いので、返し方も覚えておきましょう。
| 場面 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 入店 | A table for two, please. | 2人です |
| 注文 | I'll have this one. | これにします |
| 会計 | Can I get the check, please? | お会計をお願いします |
| 持ち帰り | To go, please. | 持ち帰りで |
| 声をかけられた | Just looking, thanks. | 見ているだけです |
| サイズ | Do you have this in a smaller size? | もっと小さいサイズはありますか |
| 試着 | Can I try this on? | 試着できますか |
会計は、アメリカでは「check」、イギリスでは「bill」と言います。ファストフード店で「For here or to go?」と聞かれたら、店内で食べるか持ち帰るかの質問です。
体調が悪いとき、トラブルのときは?
体調とトラブルの英語は、とっさには出てこないので、必ずメモにして持っていってください。症状は「I have a ...」、なくしたものは「I lost my ...」の型で言えます。
- I have a fever.(熱があります)
- I have a stomachache.(お腹が痛いです)
- I'm allergic to shrimp.(えびのアレルギーがあります)
- Where's the nearest pharmacy?(いちばん近い薬局はどこですか)
- I lost my passport.(パスポートをなくしました)
- My suitcase didn't arrive.(スーツケースが届きませんでした)
いつも飲んでいる薬は、有効成分の英語名を調べて書いておくと、薬局で見せるだけで済みます。
英語が聞き取れないときはどうする?
聞き返すのは失礼ではありません。「Sorry, could you say that again?」と「Could you speak more slowly?」の2つを、反射的に言えるようにしておいてください。ゲート番号や金額のように聞き間違えると困るものは、「Could you write it down?」と書いてもらうのが確実です。
特に間違えやすいのが数字です。fifteen(15)は後ろを強く長く、fifty(50)は前を強く言います。値段の「twenty-three fifty」は23ドル50セントのことです。数字だけを聞き取る練習を出発前にしておくと、空港でも店でも慌てずに済みます。
出発前の1か月で何をすればいい?
1日15分を4週間続ければ、ここまでの場面を一通り練習できます。毎週テーマを一つに絞り、覚えた文は必ず声に出してください。
- 1週目:入国審査と機内。質問と答えをセットで覚えます。
- 2週目:ホテルと移動。チェックインと、乗り場や道の聞き方です。
- 3週目:レストランと買い物。注文と会計、サイズと試着です。
- 4週目:体調、トラブル、数字。最後に、空港に着いてからホテルに入るまでを、一人で通して演じてみます。
旅行のあとも会話を続けたい人には、英会話の独学の記事で毎日の練習法を紹介しています。
よくある質問
TOEICは何点あれば海外旅行で困りませんか?
公式に決まった点数はありません。参考になるのは、旅行中に起こりそうなたいていの場面に対応できるとされるCEFRのB1で、TOEIC L&Rならリスニング275点、リーディング275点が目安です。詳しくはCEFRのレベルと英検・TOEICの対応にまとめました。
英語が通じにくい国ではどうすればいいですか?
あいさつとお礼だけでも、その国の言葉で言えると相手の反応が変わります。韓国に行くなら、韓国旅行で使う最低限の韓国語がそのまま役に立ちます。
英語できないまま一人旅をするのは危険ですか?
危険かどうかを分けるのは、英語力より準備です。宿の住所と行き方を事前に調べ、夜遅くに着く便は避け、困ったときに見せるメモを用意しておけば、一人でも十分に旅行できます。初めての一人旅なら、日本語の情報が多い近場の国から始めるのも一つの方法です。
翻訳アプリがあれば英語はいりませんか?
翻訳アプリは便利ですが、入国審査の列や混んだレジのように、画面を見せる余裕がない場面もあります。決まった一言は、自分の口から出せるほうが早くて確実です。
Qlangoでは、英語を日本語から学ぶコースを、短いレッスンで毎日進められます。覚えた表現は間隔をあけて復習に戻ってくるので、出発の日まで忘れにくくなります。Premiumなら機内でもオフラインで学習でき、AIの先生に「レストランで水を頼むときの自然な言い方は?」と何度でも質問できます(料金ページ)。今日はまず、入国審査の5つの質問を声に出してみてください。



